本書のテーマは「経営視点に立つマネージャーの育成」です。
現場を預かるマネージャーの最大の仕事は「仕事の変革」と「人材の育成」であり、経営の厳しさに直面してこそ、その必要性を痛感できるものです。
本書の構成は、マネージャーが取り組むべきことについて、5つのプロセスでまとめ、わかりやすく解説しています。
- (1)目標を決める ―変革を生み出す目標設定
- (2)期待を伝える ―成長課題を一人ひとりに展開
- (3)チームを動かす ―PDCAサイクルを徹底活用
- (4)部下を育てる ―人材育成会議を実行
- (5)ほめて、認めて、報いる ―仕事の貢献と人の成長に応える
日本の企業の強みとは、〝社員が社員を育てる職場〟にありました。これを自然体で成しえる慣行(プロセス)が存在したのです。しかし近年、そうした強みが失われているのであれば問題です。グローバル化が進むなかで、仕事に対する価値観(労働観)の変化が顕在化しています。「人の強みを会社の強みにできるのか」日本企業の真骨頂がますます問われる時代が来ています。
本書では、「人が育つ職場の復活」のためのマネジメント・プロセスについて解説しています。経営を深く考えることができる管理職育成の具体策でもあります。管理職がマネジメントスキルを身につけるために、「どのようなスタンス」で、「何に取り組む」必要があるのか。職場で実践する5つのプロセスを紹介します。目標達成に執着心を持ち、人の成長を諦めない管理職の実践プロセスです。
- 著者
- 二宮靖志 人材パワーアップコンサルティング株式会社代表取締役社長
- 定価
- 1,500円+税
- 発行
- 日経BPコンサルティング
- 発売
- 日経BPマーケティング ISBN978-4-86443-001-2
プロローグ 人の強みは経営の強み
人を諦めれば事業の継続はない/「人材力」の本当の意味/マネジメントの仕組みが武器になる
第1章 職業人生から得られる成長の機会
挑戦と困難と人の成長
すべての人の成長の原点/"突出人材"の体験をたどる/それでも続けた理由
マネージャーにしかできない人の育成
活きた知恵・活かす技/会社成長の分岐点/手に職がつく仕事/閉塞感を脱却するマネジメント
体質改善に時間をかける
人材育成をスローガンに終わらせない/マネージャーが乗り越えるべき壁/すぐには変わらない体質をいかに変えるか/
人材育成とは自分自身と向き合うこと
小手先の技法では伝えきれない大切なもの
感性は教えられない/感性は細部に宿る/モチベーションには触れない/いかにして人の意欲に働きかけるか
アサインに成長の機会を組み込む
「アサイン」はマネージャーの意思決定/モチベーションではなく、アサインで育成する/人材育成ビジョンの勘どころ/
期待を伝える「辞令の裏側」
第2章 組織の活力を生み出すマネジメント
組織活力の向上に必要なこと
業績向上と人材育成のジレンマ/組織の活力はどこから生まれるのか/職場に「適切な競争」と「公正な格差」を/
バランスを欠いた組織/現実を直視するスタンス
マネージャーは現場最前線の経営者
マネジメントのスタートライン/業績の構造を理解しているか/業績の認識なくしてマネジメントなし
10年先の人材を今から育てる
人の成長環境を読む/人材育成の停滞/人が育つマネジメント・プロセス改革に着手する
マネジメントは"型"を極め、リーダーシップは"キレ"を磨く
マネジメントとは何か/マネジメントの型を極めてリーダーシップに到達する/マネージャーの行動要件・5つの実践
マネジメントの効能
経営30年の実証/X社:裸一貫の経営の原点/Y社:再起をかけたマネジメントの構造づくり
変革を生み出すマネジメントの型をつくる
多様化と複雑化に対するマネジメント/自己流、チーム流、会社流に塗り替える/カタチから入る
第3章 マネジメント・プロセス改革<1> 変革を生み出す目標設定
目標をもつ会社、目標をもたない会社
X社:付加価値を上げる仕事を目標に据える/マネジメントが自然体で実践できる/Y社:業績向上に対する厳しい現実/
業績回復が自信となった
業績の傾向をつかみ、仕事の変革を考える
業績を認識する(過去・現在・未来)/未来軸で業績向上を考える/仕事の変革をチームの目標とする
自分で考えなければ経営計画は理解できない
経営計画を腹に落とす/経営計画に対するマネージャーの自問自答/本物の現場社長
経営計画を「逆読み」する
マネージャーが経営計画を再考するプロセス/経営を深く考え、目標を決める
目標設定の基本形:A地点からB地点へ(A→B発想法)
時間軸で変化とプロセスを示す/事業の連鎖、仕事の連鎖、人のつながり
目標設定は「定性が先、定量が後」
目標は定量か、定性か/目標設定の原則
第4章 マネジメント・プロセス改革<2> 成長課題を一人ひとりに展開する
成長の期待を組織図に書き込む
マネージャーが描く組織図/組織図の裏側にはミッションがある/一段高い課題を伝える/会社の方針が伝わらない原因
仕事の理由は現場にある
現場を歩く感覚はマネージャーの必須要件/マネージャーの成長課題-社内外のマーケティング/マネージャーは部門連携の要/
仕事の原点は現場にあり
ロジックツリーで会社の成長と個人の目標をシンクロさせる
会社成長ロジックツリー-業績向上と組織活力向上/仕事のスタイルを見直す契機/行動変革のイメージづくり/
ロジカルな連鎖の中で課題を発見する/意見を対流させ、ロジックツリー検討会を充実させる
業績向上に対する厳しい認識の上に立つ
マネージャーが確立すべき当否の判断基準/会社の成長を基準とするマネージャーの判断/
定性的課題は将来の業績向上が見えなければ×判定する/チームと会社をシンクロさせるマネージャーの責任
第5章 マネジメント・プロセス改革<3> 実行徹底のためのPDCAの仕組み
PDCAは続けてこそ意義がある
実行に深まりがない、計画に戦略性がない/PDCAを使い尽くすことにエネルギーを 費やせ/
部下発信の「報・連・相」、上司発信の「PDCA」
PDCAの仕組みと勘どころ
PDCAのチェック項目/(1)【方針の解釈】会社の方針を、経営者のスタンスで再考する/
(2)【目標を決める】現状に対する課題認識をもち、ゴールを決める/(3)【期待を伝える】討議を重ね、目標に対する理解を深める/
(4)【四半期計画】時間を区切り、具体策を計画する/(5)【月次計画】計画を実行に移す執着心を引き出す/
(6)【スケジュール帳】ミッションを書き込む/(7)【2週間レビュー】月末を待たずに振り返りの機会をもつ/
(8)【月次レビュー】未来を重視し、気づきを与える/(9)【四半期レビュー】成果にこだわり、仕事を振り返る/
【年間レビュー】年間を振り返る/一対一面談からチーム討議へ
第6章 マネジメント・プロセス改革<4> チームで人を育てる
人の強みで業績をあげる、業績をあげる仕事で人を育てる
もう一つのアサイン―"誰"に任せるのか/1年を人材育成計画から始める/人材育成の2つの柱、現場の活用法/
チームで人を育成する仕組み
過去形の評価から未来形の育成へ-人材育成会議の効果
マネージャーが組織と事業の未来を描く/自分自身のマネジメントを振り返る
キャリア形成を重視する企業の取り組み
人材育成会議のカタチ/マネージャー同士が検証し学習する場:最前線の討議/
人材の成長と活躍を考える場:部門長レベルの討議/大局的な観点から人事を見ることの重要性/
経営戦略の一部として人材育成を戦略化する:全社レベルの討議/じっくり3年、人を育てる会社であれ
第7章 マネジメント・プロセス改革<5> 成長のカンフル剤
経営の実務に"キレ"を加える
マネジメント・プロセスは現場最前線の経営実務/ほめて、認めて、報いる仕組み/成長のカンフル剤としての「昇格」の取り扱い/
成長の期待と職業人生の展望を伝える/昇格にも競争原理を―組織活力の源
業績貢献にインパクトを与えるプロセス
賞与の手渡し/再認識―PDCAがメンバーの納得を生む/業績連動の構造-賞与の効果/新たな決意―もっと人を育てよう
エピローグ 現場最前線で人事制度を使い尽くせ
マネージャーの武器としての人事制度/評価とは指導である/等級昇格とは育成である
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