本書のテーマは、経営と人事を強くつなぐ「経営人事」である。
そもそも人事とは、人の成長を方向づける働きを持ち、経営の土台に位置していなければならない。なぜなら、人こそが企業の推進エンジンであり、 人の職業人生を決する人事制度は、企業成長を左右する存在だからである。しかし、実態は異なる。経営の前線では人事の仕事が実務作業として処理されるに留まり、経営の底力を引き上げるだけの効果を生んでいない。人事制度が現場の仕事、人の行動に展開・浸透されておらず、社員の共感を得るに至っていないのである。
これらの課題を解決するストーリーが本書である。
人事制度を構成する「等級」「評価」「報酬」の3本柱に、「人」「仕事」「報酬」に対する理念を組み込んで、「人の成長を方向づける等級昇格制度」、「仕事に対する貢献を導く評価制度」「人の成長に報い仕事の貢献を認める報酬制度」を機能させる。その具体策を、本書では、企業事例を用いて解説している。――人の活躍を考える。人を豊かにする。これは経営人事の本質であり、企業経営そのものである。
- 著者
- 二宮靖志 人材パワーアップコンサルティング株式会社代表取締役社長
- 定価
- 2,500円+税
- 発行
- 日経BPコンサルティング
- 発売
- 日経BPマーケティング ISBN978-4-86443-075-3
第1章 経営人事の視座
[1] 人事は経営の本質に迫れるか
トップの目線で見る人事/人事が挑戦すべきテーマ/一般名詞の人事制度、固有名詞の人事制度/飛んでも跳ねても揺るがぬ舞台/人件費を決める方程式/経営に迫る人事制度改革
[2] 業績の構造と人事制度のつながり
業績を見ない仕事は空転する、人件費を見ない仕事は甘い
[3] 事例研究
人の強みを引き出す会社/経営人事という視点
第2章 人件費の分解と再構成
[1] 人件費を直視すると何が見えるか
アサインへのこだわり/労働分配率は目標ではない/人件費管理の捉え方
[2] 企業を未来につなぐ要件
毎年更新される人員構造図/検証1:人件費は大丈夫か/検証2:人は育っているのか/検証3:シニアに活躍の舞台はあるのか/検証4:若手は定着しているか/検証5:複線型人事制度の崩壊への備えはできているか/検証6:次世代にツケを残さない人員組織構造になっているか
[3] 「 人員構造」を「人材構成」に切り替えるフレーム
等級フレームに未来の人員数を書き込む
[4] 人事制度改革の論点
主義でも基準でもない「経営人事」という拠りどころ/人事制度改革の課題 ―等級昇格制度/給与は責任の重み、賞与は貢献の報い/評価制度の構築はマネジメント・プロセスの確立に通ず/アサインを決める評価、報酬を決める評価
第3章 職業人生を展望する仕組み--等級昇格制度の改革
[1] 成長・貢献・自己実現の舞台〈15年×3サイクル〉
区分して、定義して、人を見る(アサイン) ―人事管理の基本/職業人生の展望/成長・貢献・自己実現の3つのステージ/3つのステージとキャリア形成モデル
[2] 羅針盤・キャリア形成マップを等級基本フレームに展開する
成長をガイドする「ランク」と職責を示す「等級」/キャリア軸のコース区分と職責軸の職群区分
第4章 成長と活躍を方向づける等級昇格制度の詳細設計
[1] 第1ステージ・キャリアランク制度
キャリアランク(X)の詳細設計/キャリアランク昇格プロセス ―昇格審査会方式/キャリアランク(X)と連動する教育プログラム
[2] 第1ステージの職責等級制度
職責等級(Y)の詳細設計/職責等級の昇格降格/職責等級要件書を書く視点/職責等級を証明する評価/職責等級(Y)昇格を決める基準と機関/人材育成会議 ―育成方針と昇格推薦の討議の場
[3] 第2ステージの等級昇格制度―ポストランクと職責等級
職業人生15年・2サイクル目の試練/第2ステージの等級基本フレーム/基幹社員の等級昇格制度
[4] 第3ステージの等級昇格制度
役職定年とシニア専門職への移行
第5章 成長を認める給与、貢献に報いる賞与の仕組み
人件費を見ない人事は甘い
[1] 会社業績と総額人件費、個人貢献と年収水準の連動構造
人件費を決める柱/社員目標の達成・経営の支払い余力/3つのステージ年収水準 ―世間相場と入口水準
[2] 給与制度設計の実務 ―給与は成長の証
ステージ別給与体系/キャリア給テーブルの設計 ―ステップアップ方式/ポスト給テーブルの設計 ―ポストランク・シングルレート方式/給与制度移行の原則/現状分析:職責と給与水準のアンバランスを顕在化する/職責給 ―範囲給方式:ゾーン別評価反映増減給
[3] 賞与制度設計の実務―賞与は貢献を引き出すカンフル剤
「ポイント賞与制度」設計の実務/みんなニコニコ「決算賞与」の設計/評価は管理職の仕事・査定は経営の仕事
第6章 評価制度の設計と活用 --マネジメントの骨格をなす仕組み
[1] 業績起点でマネジメントの構造をつくる
マネジメントとは何か/アサインで人を育てる/業績を起点に仕事の変革を考える/経営計画を逆読みする ―目標管理は、会社方針の連鎖ではない/「じゃまするもの」を考え、討議する/目標を決める(目標は定性が先、定量が後)/期待を伝える/5つのマネジメント・プロセス/
[2] 4つの評価項目
評価制度の全体像/目標管理を展開する評価〔重点課題評価〕/予算・実績管理を展開する評価〔業績評価〕/職責等級格付を証明する評価〔職務行動評価〕/経営理念を浸透させる評価〔理念行動評価〕
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