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経営人事コラム

総額人件費管理のポイント(2)
2011/06/27

業績と連動する人件費管理の経営人事施策は社員の"事業観"を確立するための
ひとつの方法です。

会社業績に連動した賞与原資、自分の貢献度に応じた賞与配分、成長が認められ
た証としての給与。人事諸制度の一つひとつの使い方が、社員の仕事と向き合う
姿勢を確立していくのです。

仕事を通して成長を積み重ね、給与が上昇する実感。仕事の貢献により賞与額が
増額した実感。そして、会社が顧客から認められ、業績向上に結び付いた実感。
同時に業績向上からしか給与も賞与も「でどころ」はないのだという実感。業績
向上も業績ダウンも、実は自分たちの仕事の取り組みでしか実現できないのだと
いう実感。これらの事業体験を重ねてこそ、社員というものは、経営幹部と同じ
ような事業観を確立していくのだと思います。

ところで、総額人件費管理の手法とは具体的にはどのような経営人事施策であり、
一つひとつの制度にはどのような効果があるのでしょうか。人件費管理を時間軸
で計画することは、経営における人件費を扱うときの要点です。人件費とは「下
げる」ものでもなく、「上げる」ものでもなく、「計画化する」ものだというス
タンスが経営人事に必要です。そして、どのように業績と連動させるかが大切で
あり、経営幹部の腕の見せどころです。なぜなら、この業績連動の方式と程度で、
社員の事業観というものが確立されてしまうからです。

たとえば、トップに一任の方式であれば、顧客を見るよりトップしか見ない組織
体となることが想像できます。また、年収の5%程度が変動する方式であれば、
報酬はもらって当然の意識は払拭されないでしょう。わが社の業績とは何であっ
て、業績を上げる取り組みとはどのようなものなのか、業績の計画と人件費の計
画が社員にわかるかたちで示されてこそ、業績連動は機能するものですが、何よ
りもこの「業績と連動させて計画する」という施策がスタートです。

先に人件費を時間軸で管理すると書きましたが、この点は実務要素が多いので、
端的に紹介をするに留めます。①短期で人件費をコントロールするのが賞与
です。②中期的にコントロールするのが給与です。そして、③5年から10年の
長期間で人件費をコントロールする方策が等級人員管理です。

多くの企業の現場を見ている感想ですが、これからの経営人事の課題とは、この
「等級昇格人員管理」を機能させることです。これは、中長期人員計画に基づく
昇格者数を管理することですが、大切なことは人数を管理することではなく、ど
のような事業で、どのような業績をあげ、どのように仕事が変化し、どのような
人材が求められるのか、そして、今いる人材に対しどのような仕事を通した成長
の機会を与え、どのような期待を伝えるのか。そのことで社員の皆さんが、経営
幹部と同じように寝食を忘れて没頭できるほどやりがいを感じるような仕事観を
確立させることができるのか。この点をよくよく考えて経営人事政策を組み上げ
ることです。

5年後の組織図には、どのような顔ぶれが活躍しているでしょうか。10年後の
組織図では、今の幹部社員は皆、名前がない(定年退職している)可能性もあり
ます。今いる人材にどのような経験を積ませて、今いる経営幹部を格段に上回る
次世代を生み出す構想こそが、等級人員管理の極意です。

経営幹部の皆さん。今いる人材は、皆さんを格段に上回る経営幹部として活躍が
期待できますでしょうか。社員の意識を変え、仕事を変え、組織文化を塗りかえ、
将来の経営幹部を強い人材に成長させること、これが業績を連動させる人件費
管理のゴールです。再度、経営人事を点検してください。

 

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