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経営人事コラム

組織づくりのコラム

競争力ある組織
2011/05/02

活力ある組織の姿を"自律的で公正な"と表現する企業が多いようです。
しかし、自律的で公正な組織とは一見、理想的ではあるけれども、怠惰な行動
に流れやすいものです。例えば、規律の枠がなく危機感が不足し惰性に流れる
ケースや、組織の統一感がなく個々人が勝手な行動に出るため組織パワーを
発揮できないケースなどがあります。

若くて闊達な組織ほど、追い風に乗ると勢いつくものですが、環境が悪化し
行動の結果が出なくなるとすぐに「モチベーションが上がらない...」などと
気弱な不満が出てくる組織は後者のタイプです。
"自律的で公正な"とはなかなか難しいもので、公正を求め平等であることが
重視されるあまり、悪平等へ流れる危険性を持っています。

こういう点からも、組織と人事の領域は、経営幹部の悩み深きテーマだとも
いえます。客観的指標というモノサシが無く、他社事例が共通の解決策になり
にくい点も組織人事課題を不可解なテーマとする原因になっています。


誤解を恐れずに言えば、適度な「競争」は組織に自律的で前向きな個々の動き
を促します。また、適度な「格差」は停滞を打破しメンバーの納得感を生みます。
これらのねらいから、組織人事プログラムにおいて、社内序列に「競争原理」を
導入し、人事処遇において「格差」を設けるという手を打つことになるのです。

そして、これは程度の問題ですが、作用と反作用はあらゆる制度改革につきも
ので、例えば成果主義人事の弊害などという反作用論調が高まり、モチベーション
重視などというふわふわした論調が幅を利かすのです。

ここで認識すべきは、"基幹システム"と"運用システム"というレベルの違いを
認識しておくことです。規律を設け競争を促し納得感ある格差を設けるというのは
高度な経営レベルの基幹システムです。コミュニケーション手法の改善によるモチ
ベーション向上とは運用システムであり、一線を画して考える必要があります。


人事制度は"基幹システム"と位置づけ、自社に適度な競争環境を整えることが
求められます。活力は怠惰で悪平等の環境からは決して生まれません。もちろん、
"運用システム"としてのマネジメント手法においてメンバーの意欲を高める工夫
は欠かせないことも確かです。ここを切り分けて考えない限り、経営人事の深い
悩みに対して視界が広がる解決策を期待することはできません。

「競争と格差の適切度たるものがわからないから悩ましい」のだと思いますが、
私はこの「会社づくりの根底の課題」を人事諸制度にどう織り込むか、その試行錯
誤が活力ある組織づくりそのものであると考えています。

そうすると経営人事の仕組みは、各社独自のあり方でなければならないという点も
理解できると思います。一見、同じような等級昇格制度、評価制度、給与・賞与制
度に見える仕組みも、何をもって競争させるのか、それはどの程度か、そこからど
うやって格差を導くのか、そもそも納得感はどこから生まれるのか。
これらの視点から再考すると、自ずと人事諸制度に独自性が生まれてきます。


私は経営人事コンサルティングのプロセスで、競争と格差と組織活力について経営
幹部と徹底的に議論するところから手をつけます。そこから生まれる等級定義、
昇格スピード、上がれる人数と上がれない人数の根拠と程度、それを判定する評価
基準こそ組織の活力を決定づけるものになるからです。

「他社が導入したから成果型にする」、「人材育成重視と世の中で言われているか
ら切り替える」など、人事制度を変える理由とプロセスがモノマネ型であった場合、
「結局、自社に合わず上手くいかなかった」という声をよく聞きます。組織の活力
とは何であるのかを突き詰める必要性を感じるところです。

経営幹部の皆さん、等級昇格制度は人材の成長にインパクトを与える仕組みとなっ
ているでしょうか。
評価制度は、仕事の目標となり仕事のやりがいを生み出す効果を生んでいるでしょ
うか。
給与・賞与制度は適度な格差があり、増えても減っても納得感ある活用ができて
いるでしょうか。

これらは、力強く活力ある組織を維持し高めるために、熟慮する経営人事のテーマです。

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